ソロモンの伝書鳩 - 世界観

【ソロモンの伝書鳩 - 世界観】


【あらすじ】
太古より「魔神」という存在が人間に関与してきた世界。
幼い頃から父と旅をしてきた双子の姉弟・フレイアとユングは、長い旅路の中でも何不自由なく暮らしていた。
だが、ある日、突如現れた「猫面の男」との出会いをきっかけに、姉弟は父を喪い、姉のフレイアは魔神の一柱であるフェネクスとの契約によって不老不死の身体となった。
その悲劇から数年後、フレイアの契約を解く方法を見付けるため、姉弟二人は「魔神の典籍(ゲーティア)」と呼ばれる魔術書を探す旅に出る。



【魔神】
世界を構成する真理が具現化した存在。人智を超える力と異形の容姿を持ち、生贄として人間を喰らう性質を有するため、古くから人々に畏れられてきた。
太古の時代にはソロモン王と呼ばれる一人の魔術師によって使役されていた。どの魔神も強大な力を持ち合せているが、現在は魔神としての肉体を奪われ、魂だけの状態で「深淵の壺中」と呼ばれる空間に封じ込められている。
元は世界を構成する真理の一部から切り離された欠片であり、ソロモン王の魔力によって意思という「変化」を持ち合わせてしまった存在。それ故に世界の真理を崩し、再構築することが出来るため、本来有り得ないとされる事象を引き起こす事を可能とする。これが魔神の権能に該当するものである。
また、魔神は厳密には生命ではなく概念であるため、具現化した肉体の死はあっても魂まで消滅することはない。

【ソロモン】
魔神と契約した人間の総称。その呼称はかつて魔神を従えた「ソロモン王」の名に由来し、魔神との契約で人智を超える力を持ち合わせる。
ソロモンとなった人間の身体には印章(シジル)が刻まれており、魔神から与えられた権能を行使したり、精神が弱った場合等にこの印章から痣が拡がっていく。痣が拡がる範囲が増えるにつれ、扱える権能の幅も比例して大きくなるが、全身に痣が拡がるとソロモンは魔神として覚醒することになる。外見は普通の人間と変わりは無いが、権能を行使した直後などは魔神の本能による激しい吸血衝動を引き起こし、人間を襲うことがある。
魔神の卵のような者のため、事情を知る一般人からは忌避される対象となることが多い。

【権能】
魔神が持つ固有能力のこと。権能の幅はそれぞれの魔神が司る属性の範囲に留まるが、強力な魔神である程複数の属性を包含し、操ることが出来る。
天候を操る等の自然的な権能を始め、人の精神を操作するものや、あらゆる傷病を治癒する力等、魔神によって保有する権能は様々。
ソロモンとなった人間は、契約した魔神から権能を受け継ぐことが出来るため、その力に惹かれて自ら魔神との契約を望む人間も少なからず存在する。

【侵蝕】
契約者であるソロモンが権能を行使することによって、その代償に自らの魂を魔神に喰われる現象のこと。
侵蝕時は印章の位置を中心に想像を絶する苦痛が走る。この苦痛はソロモン自身の魂以外に、契約した魔神へ差し出す代償が無いために引き起こされることから、殆どの場合は人間の血肉を得ることで治めることが出来る。ソロモンが人間を襲うのは、この侵蝕による苦痛から逃れる目的であることが多い。
また、侵蝕が起きることによって苦痛と並行して印章から肉体に痣が広がるが、この痣の範囲が魔神化するまでの尺度となり、範囲が広がるにつれて侵蝕の苦痛も激しくなっていく。

【深淵の壺中】
ソロモン王の力によって、魔神達の魂が封じ込められた異空間のこと。
魔神達は魂だけの状態で空間を漂っており、実体は具現化していない。

【契約】
魔神と人間の間に生じるもので、魔神と魂を交えることを指す。
契約時、人間は魔神に自らの魂を喰わせることになるが、この時に完全に魂を喰われなかった者のみが契約を成立させることが出来る。これには相当な精神力が必要とされ、魔神に魂を喰い尽された者はそのまま死を迎えることとなる。また、魔神側は契約した人間に権能を与える代償に、徐々にその肉体を魂から侵蝕していき、自らの本性を具現化させる器として利用する。
現在は魔神自体が深淵の壺中に封印されているため、人間が契約を行うことが出来ないとされているが…

【四君の柱】
計72柱の魔神の中で最も強大な力を持つ、ベレト、ベリアル、アスモデウス、ガープの四柱を指す。他の魔神達はこの四柱の前に逆らうことは出来ず、従属を強いられる。

【魂】
自己の存在を認識する意識作用のこと。自らの容姿で自己を認識するというものではなく、いかなる感覚の影響も受けない自己認識作用を表す。
肉体の形成は魂に大きく左右されるため、魂の変質は肉体に直接的な影響を及ぼす。魔神と契約し、魂を侵蝕されるソロモンの肉体がいずれ魔神化するのはこのためである。
基本的に肉体と魂は分離することが出来ず、どちらか片方が失われてしまえば同時に双方の崩壊を招くことになる。

【天使】
世界を構成する真理の欠片。不変の性質を持つ。
この天使がソロモン王の魔術によって意思を与えられ、変化した存在が「魔神」である。

【聖人】
四大属性を司る天使、ミカエル、ラファエル、ウリエル、ガブリエルそれぞれの加護を受けた人間のこと。四大天使の数に合わせて4人存在している。
契約した人間を器に、肉体を具現化した魔神を再び魂の状態へと転生させる役目を担っており、魔神の権能を無効化する能力を持ち合わせる。また、魔神の能力を持つ者が聖人の肉体に触れると瞬時に焼け爛れる。
聖人の身体には聖痕が刻まれており、先代の聖人が死ぬ度に加護は別の人間に移行することになる。そのため、先天的、後天的問わず聖痕は現れる。聖痕が現れて聖人となった者は若い段階で老化を失い、以後不老の存在となる。これについては不死という訳ではなく老化が止まるだけであり、人間相応の寿命も存在する。
魔神の能力を持つ者を無意識下に誘引してしまう性質も持ち合わせるため、必然的に聖人の周囲にはソロモンや魔神が集まってくる。

【魔神の典籍(ゲーティア)】
ソロモン王が記した魔術書の一冊。72柱の魔神について記されていると云われる。贋作が多く存在し、本物の在り処は分かっていない。

【王の戎器】
ソロモン王が創り出したとされる魔具。槍や剣、斧など武器の形態としては様々だが、いずれも持ち主に対して降りかかる天使及び魔神の魔力を無効化する。

【王の指輪】
ソロモン王が神から授かったと云われる指輪。魔神を司る鉄製のものと天使を司る真鍮製のものの二種類があり、二つ揃えない限りはその効力を発揮することは無い。人間が所持すると天使および魔神を自在に操ることが出来、動植物の言葉を理解することが可能になる。逆に魔神と契約したソロモンが身に着けると、魔神の権能を抑え込み、普通の人間と同様の状態へと回帰させる。

【従属】
魔神に魂を喰われる契約とは違い、人間側が魔術の拘束力で一方的に魔神の力を使役すること。
かつて魔神を生み出したソロモン王もこの形式を取っていたとされ、契約と比べると人間側に不利益となる面が圧倒的に少ない。
ただし、従属出来るのはすでに肉体を具現化させている魔神に限られる上、魔神を従えるためには膨大な魔力が必要となる。例え従属の形式を望んだとしても、人間側の魔力が足りずに拘束出来ないことが大半である。

【護符(ペンタクル)】
ある種の魔力を持つ人間(聖人等)だけが扱う事の出来る術の一つ。
いわゆる魔法円のようなもので、様々な記号を描き加えることで世界の理に干渉し、攻撃や防御、精神操作や治癒など、多様な効力を発揮する。
しかし前述のとおり、魔力を持つ一部の人間にしか扱う事が出来ないため、一般的な人間が護符を描いてもその効力を発揮させることは出来ない。

【魔術】
世界の理に干渉するための術。護符もこの類に含まれる。文字や図形、肉体の動作、言霊など魔術を発動させる術式の形式は一つに限らない。魔術の類は聖人やソロモンのように魔力を持つものにしか扱えず、また、自分の持ち得る力を超える魔術を発動しようとすると、術者本人に魔力が撥ね返り肉体の崩壊を招くことがある。